ボンバルディアが三菱航空機を訴えた

Seattle TimesにBombardierがMitsubishi Aircraftを訴えたという記事が載っていたので訳してみようと思う。出典はSeattletimesより。

タイトル:ボンバルディアが三菱をSeattleで企業秘密について訴えた

ボンバルディアがシアトルの連邦裁判所で三菱航空機を訴えている。モントリオールに本社があるボンバルディアは、同社から引き抜かれた従業員が、三菱航空機に転職する際に、大量の企業秘密をeメールで違法に持ち出したという内容である。これらの企業秘密の漏洩は、長らく開発が遅れている三菱リージョナルジェットの認証をアメリカで得る助けとなる。

92ページの訴状は金曜日に提出された。ボンバルディアは、三菱航空機および同社のシアトルでの契約者であるAeroTECを訴えており、92名の元ボンバルディアの従業員が両社で働いている。両社は、ボンバルディアの本社があるケベックと、アメリカにおける飛行試験センターがあるウィチタで就職説明会を開いていた。

ボンバルディアの訴状は、数人の元従業員の名前を記載している。それらの従業員は、カナダ航空局および連邦航空局への旅客機の認証に関連する、ボンバルディアの社内秘資料およびデータを流用したとされている。

(旅客機の認証は)、とりわけ新しい飛行機にとっては、著しく複雑かつお金がかかるプロセスであるため、全く新しい設計の飛行機に関していえば、2000年以降に連邦航空局および欧州の安全審査当局の審査を通ったのは4社しかないと述べている。

ここ数十年で日本のはじめてのジェット旅客機のMRJを開発している三菱は、それらの経験を持ち合わせていなかった。数年間の飛行機の開発の後、三菱航空機は2014年に、認証のための飛行機試験をMoses Lakeで実施することを発表しており、多数の技術者がシアトルから立会のために当地へ向かっている。

6月までにこのMRJプログラムはワシントン州で600人の雇用を生み出しており、2020年の市場投入へ向けて進んでいる。開発遅れや、上昇するコスト、アメリカでの営業上の壁にあたってはいるものの。

技術的な課題に加えて、この69席から88席のリージョナルジェットは、ボンバルディアおよびエンブラエルとの厳しい競争にさらされている。ボンバルディアのCSeriesはいまやAirbus傘下となり、エンブラエルはボーイングとのジョイントベンチャーの最終交渉段階である。

ボンバルディアによると、三菱航空機とAeroTECは認証プロセスを楽にするため、ボンバルディアのCSeriesの飛行試験チームの部長および、CSeriesの飛行試験プログラムマネージャを雇った。今回の訴状は、より低いレベルのボンバルディアの技術者が彼らの個人的なメールアドレスに社内資料を送っていた。しかも、ボンバルディアを辞める数日前から数週間前にかけて。

そのうちの1つの従業員の例は、ボンバルディアのメールアドレスからYahooメールに送られたもので、2つの社外秘の企業秘密のパワーポイントファイルが含まれていた。これらは、ボンバルディアのGlobal7000/8000の機密情報・社外秘の情報であり、かつカナダ航空局との交渉記録が含まれていた。

他の従業員の例では、航空機の認証のためにどうやってデータを取ればよいかが書かれている、数百ページに渡る機密資料が流出したとされている。

また、ボンバルディアの役員および顧問弁護士は、2015年からボンバルディアの機密情報を悪用しないよう三菱航空機に要請してきたが、ほとんど無視されてきたとしている。

ボンバルディアは、損害賠償金に加え、三菱航空機およびAeroTECに対し、ボンバルディアの元従業員によってもたらされたボンバルディアの機密情報の使用差止め、ならびにそれらの情報を持っている従業員を雇うことを禁止するよう求めている。

シアトルおよび日本の三菱航空機の代表者は、金曜日の夜ということもあり、訴状に対するコメントが得られていない。